まおゆう魔王勇者 4この手でできること
積ん読本だったのをやっと読んだ。
マッチロックのマスケット銃が登場し、世界の勢力図が大幅に変わった前巻からの続き。
マスケット戦術の後の推移ってどうだっけと当時の戦場の事例を頭に思い浮かべ、にやにやと笑う。
魔王はマスケットによる戦場での死者の増大に心を痛めているが、これでやんでいては次のライフルマスケット、いわゆるケンタッキーライフルとかあの辺が出て来た後の南北戦争の信じられない戦死者数を見たら卒倒するのではなかろうか。
封建体制や階級制に関して、やはり一般的な思想で展開されているきらいはあるが、全体として非常に面白いことに変わりは無い。
しかしこの辺りからは割と近代的な社会体制に言及していくことになるので、どうなることか。
昔、銀河英雄伝説を読んだとき、刊行中で私はまだ十代だったが、それでも二国だけで話を進めるのは単純化しすぎだという印象を持っていた。まおゆうは人間側の2勢力と魔界側で3勢力なので、銀英伝に比べればからなりまともな外交のカリカチュアを描けていると思う。
しかしもっと薄い広がりを、通信手段にも視野を広げてやってくれたら、さらに俺好みだった。
情報の伝達と、社会の共通認識としての宗教という側面は、大規模な社会を語る上ではかかせないと思ふ。
ただそこに踏み込むと、おそらく売れなくなるだろうが。
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