« 2009/1/10 | トップページ | 2008/1/11 »

斬 ~KILL~

Kill
監督:辻本貴則、深作健太、田原実、押井守 
出演:藤田陽子、菊地凛子、溝口琢矢、木村耕二、森田彩華、山口祥行、石垣佑磨、辻本一樹

2008年 日本

年末までえらく忙しく、事前情報を全く得ずに鑑賞に赴く。TalkingHeadや立喰師でも6割くらいの入りだったので、もっと混むかと思ったが3割くらいでガラガラ。
冒頭で辻本、田原両監督の挨拶。
辻本監督「他の監督がまともなチャンバラをやるとは思えなかったので、ちゃんとチャンバラを扱った映画を作った」
田原監督「初めて監督した自主制作映画が押井監督の目にとまって抜擢された」
辻本監督「東京では深作監督の作品が一番評判が良かった。押井監督はいつも通り」
押井監督はいつも通りの下りで観客から笑い声が。まあ笑うわな。
観客の大半が両監督の知り合いだとか。
明日から大丈夫か?

「キリコ」
冒頭から水野美紀の殺陣がすばらしい。体のキレがいいし、全身に神経が行き届いている。
人質に取られた妹を挟んで幹部と対峙したシーン。居合いなら瞬きの間に斬られる間合いだなあと思ったが、そんなこと考えるヤツはまあいないだろう。
冒頭の最終カットで水野美紀の脚に力が入ってたのが残念。脱力した死体の感じがなかったので殺伐さや寂寥感に欠けた。台詞回しが全キャラ一緒なのも気になった。結構いいと思うだけに、ちょっとした事が気になって残念に思う。
セーラー服が赤拵えの日本刀を持って東京の雑踏に立っている構図は、想像より数段良かった。主役の女の子の姿勢が良くて目に力があり、凛とした雰囲気を醸し出してる。かなりいい。
殺陣も出来ていた。カメラワークでごまかしているのは分かるんだけれども、さっ引いても体がよく動いている。さすがに寝転がっての鍔迫り合いのシーンでは下半身に気が廻ってない気がしたけども、全然出来ていた。
チャンバラもののオムニバスの一発目に持ってくるだけはある作品だった。
まあ脚本をもっと練って欲しいとは思う。オチが弱い。ていうかチャンバラ以外捨てに行くなら最後もチャンバラで観客置き去りにしたほうが良いような気がする。

「こども侍」
え~つまりは、現代の様でちょとずれた世界を舞台に、サイレント時代劇のパロディを弁士付きでやったと。
深作健太監督は二代目って事で色眼鏡で見ていたけれど、この映画を撮れるってことはかなりの映画マニアだということが良くわかる。短編映画としてのまとまりは凄く良い。手首が刀掴んだまま切れるところとか、用心棒のバンカラ大学生風中学生が椿三十郎風に血を吹き上げるところとか、その他もろもろ小ネタが良いツボを突いてくる。なるほど、こりゃあ評価高いのは分かるわ。
弁士と白黒でかなりごまかされてるんだけど、それも計算に入っての作品なのだろうからこれはいい。
映画を見ながら、そういや昔のピアのコンテストに同じような着想の自主制作映画が何本かあったなあと思い、それを商業ベースで見られるレベルにしているところに感嘆。アプローチがプロっぽい。いやプロなんだけど。

「妖刀射程」
見る前は妖刀伝か極大射程かと思った。妖刀の力が銃器に乗り移って正と邪の戦い。エネルギーソースがカートリッジ式になっててヘエと思ったSF作品は何個かあるが、これは暴力装置である銃と刀の合体。
冒頭、邪悪な側の妖刀に取り憑かれる陸軍兵士が見事な軍服なのに驚く。今考えたらこの制服、中田商店で売ってるな。妖刀と融合する小銃が三十年式なのか三十八式なのかはわからず。所々、俳優の所作に目を引かれるところがあったのと、何回か排莢がカッコイイ見え方をしている所があった。
終了後の監督トークで自衛隊の衣装がちゃちいという指摘があったけれど、せめてヘルメットを何とかすればもうちょっとマシだったかも。
これもオチが読めるので、最後が締まった感じがしない。

「ASSAULT GIRL2」
映画じゃねえΣ(゚Д゚)
まあなんちゅうか、冒頭の草むらをパンしている映像だけで、ああ押井作品だと感じてある意味満足してしまうのは、私が押井作品に洗脳されているからか。
脚が良い。対峙する女優の撮り方が、これまでになく生っぽい。この辺が空手効果なのかもしれん。
出現した戦車はMK.Iの雌型?か、な?
レイアウト、カメラワーク、音楽。その辺はいつもの押井監督だった。

終了後、両監督のトーク。
辻本監督「最後が押井監督と言うことで、みなさん寝てませんか?」
で観客から笑いが。
どの作品が一番良かったかのリサーチでは、やはり「こども侍」が一番という空気。
辻本監督「ああいう映画は女子供にはウケがいいんです」とジョークを飛ばす。
制作裏話をいろいろ。まあ押井監督がらみの話はほとんど無かった。
「妖刀射程」の暗闇に光る赤い暗視装置は別に「紅い眼鏡」におもねているわけではなかったとか。
メイキング映像を撮っていたので、DVDが出れば収録されるかも。
観客プレゼントは両監督サイン入りポスター。全員でじゃんけんする事になり、最後の7人にまで残ったけど3回目は何も考えずに出して負け。
最後にパンフレットに辻本、田原両監督のサインを貰った。

|

« 2009/1/10 | トップページ | 2008/1/11 »

コメント

ご覧になりましたか。
あの中で一番評価が何なのが押井作品というのがなんともかんとも。
まあでも雰囲気だけは楽しめましたね。あれは五号戦車かと思いましたが、MK.Iかなあ?

投稿: 甘崎 | 2009/01/11 23:25

押井監督のは映像作品としては楽しめたんですが、チャンバラオムニバスの中の一本としてどうかと考えると、いかがなものかと思いますね。商売を考えてないにもほどがあるというか何というか。
予備知識入れずに行ったので、突然出てきた戦車に目を凝らしてみましたが、そもそもMK.I~Vをパッと見で判別できるほど戦車スキルは高くないので判りませんでした。
これでもDVD出たら買ってしまうんだろうなぁ。

投稿: ぱしくる | 2009/01/13 11:13

詳しい感想、どうもです。
私も押井作品に洗脳されているクチなのでDVD(或いはブルーレイ?)を待ちます。

話変わりますが、鉄人大阪公演には行かれるんですか?

投稿: SLR | 2009/01/14 00:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 2009/1/10 | トップページ | 2008/1/11 »