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平面いぬ。

乙一短編集。
「石の目」 伝奇小説。メデューサネタで、オチも早々に察しが付くのだけれども、筆力で押し切っている。メデューサ物といえば、最近ではFate/hollow ataraxiaのライダーのエピソードが結構良かった。ま~ありゃあ設定積み上げのミエミエな感情引っ張り式なので、比較は出来ないが。
「はじめ」 少年二人が空想の中で作り上げた少女はじめ。やがてはじめの姿が幻として現れ始め、二人だけが会話できるようになる。基本的にこの手の話は好きだ。古くはロバート・ネイサンのj「ジェニーの肖像」、火浦功の「不安定なまゆみ」「そこにいない少女」、最近では古橋秀之の「三時間目のまどか」。話の作り方も上手く、主人公の心情に説得力がある。すばらしい。
「BLUE」 意思を持ったぬいぐるみの話。仲間と違って残りの端切れで醜く作られたBLUEは、買い取られた家族に乱雑に扱われながらも、人を好きでいようとする。抑揚少な目、情感細かめ、内証的。
「平面いぬ。」 父母弟、家族全員が癌で余命半年。家族に愛されていないと感じていた主人公は、入れ墨の小さな犬に心を救われる。ありえない設定から始まり、ひねくれた表現、しっかりしたキャラで、面白く素晴らしく切なくてグッと来る。
粒ぞろいでレベルの高い短編集だった。すばらしい。

<bk1>

平面いぬ。
平面いぬ。
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乙一
集英社 (2003/06)
売り上げランキング: 6,231
おすすめ度の平均: 4.09
3 おもしろかったです
5 珠玉の四編
5 「BLUE」

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