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雷轟rolling thunder PAX JAPONICA

押井守監督の近年の持ちネタの一つ、パックス・ジャポニカ。
小説という形での発表となったが、本編自体はあっちゅうまに終わった。
要するに南北戦争後、二つに分かれた米国と、日英同盟を維持し、第二次大戦を連合国として戦った日本。
佐藤大輔あたりが書きそうな内容だけれども、押井監督らしい蘊蓄がふんだんに、そして露骨に長々と語られていて、その変わらぬ芸風に妙な安心を覚える。
後ろ三分の一は日本と戦争についての分析や東京という街について色々と語っている。
おそらく、これまで226イベントで語られてきたような事なんだろうけれど、東京の話はともかく、日本人と戦争の話はまあそうなんだろうと思える。ただ、我が国の体制について本気で話を切り込むならば、明治維新での幕藩体制からの移行を描かないと、結局、核心の部分があやふやなまま進んでしまうと思う。

かつて、理想社会の実現についてある友人と長々と議論していた時期があったが、結局の所、こうだったらよかったって話は机上の空論でしかなく、説得力を持たせるには現実の問題点と関連づけて展開していくしかなく・・・一人の人間の限界と社会に蓄積される知識、なぜ人間が社会を作る生き物なのか、集団の維持、意思疎通の限界、文化、思想、宗教等々えらい所まで考えて行かなければならなくなるわけで・・・この後、どういう展開にしていくかは楽しみ。

雷轟rolling thunder PAX JAPONICA
押井守
エンターブレイン (2006/03/31)

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