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ロード・オブ・ウォー 史上最強の武器商人と呼ばれた男

製作:ニコラス・ケイジ、ノーム・ゴライトリー、アンディ・グロッシュ、
    クリス・ロバーツ、フィリップ・ルスレ、アンドリュー・ニコル
監督:アンドリュー・ニコル
脚本:アンドリュー・ニコル
撮影:アミール・M・モクリ
美術:ジャン・ヴァンサン・ピュゾ
音楽:アントニオ・ピント
衣装:エリザベッタ・ベラルド
出演:ニコラス・ケイジ、イーサン・ホーク、ジャレッド・レト、ブリジット・モイナハン、
    イアン・ホルム、イーモン・ウォーカー
(2005/米)

映画はニコラス・ケイジ扮する武器商人のモノローグから始まる。
「現在、地球上にあふれる銃は12人に一丁。
残る問題は、一人一丁の時代」(これは拳銃類を抜いてだろうか?
ノリンコ製とか、ちゃんとカウントできてるとも思えないが)
タイトルロールの背景では、鉄板から打ち出された円盤がプレス機で
7.62mmX39カートリッジとなり、パウダーを詰められ、弾丸をロードされる。
弾丸は品質検査をくぐり抜け、箱詰めされ、海路輸送されてアフリカの某国で
少年兵の頭部に向けてデリバリーされる。

ウクライナ生まれのユーリ・オルロフは亡命先のNYで、
ロシア人マフィアの殺し合いを目撃したことに啓示を受け、
両親の家業であるレストランが食事を提供するように、
求める人々にお手軽に武器を提供する商売をすることを思い立つ。
1丁のUZIから始めた商売は、当人の才覚と弟ヴィクターの助けにより、
あっというまに軌道に乗り、世界的武器商人へと上り詰めていく。

どうにもならん泥沼の世界を、武器商人の実話を追いかけながら描いた作品。
監督アンドリュー・ニコルはSFの傑作「ガタカ」を監督し、
名作「トゥルーマン・ショー」の脚本を書いた鬼才。
映画界におけるヴァーチャル女優とそれを取り巻く人間模様を描いた
「シモーヌ」は正直空振りだったが(感性的な監督なら別だが、
やっぱこういう理知的な監督は、自分の女を主役にした映画はあかん)、
これはまたこれまでと全然違う作風ながら、さすがアンドリュー・ニコルと言うべき映画。
ストレートに描いたら、ただただ泥沼の糞溜めに圧倒されるものになったろうが、
監督独特の冷たい視点が観客に作品との距離を置かせる。
それによってこの世界の難題をえがいた映画が、把握可能なものになっている。
すばらしい。
とにかく、観るべき映画だった。

あと、作中に登場する大量のT-74は、実際に武器商人が1日でそろえたものだそうで・・・
よく考えたら、戦車やなんかもネット販売してるなあ。
6万円のT-55に一瞬心動いたこともあった。(ぉ
虐げられた民衆が独裁者と戦うのも、難民の虐殺に使われるのも、小火器なんだよね。
世界が完全に平和になることも、第三世界から小火器がなくなることもないだろうが、
我々にできることは、ほんの少し中国の圧政や、中近東、アフリカの現実に目を向けることかな?

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今世界には 5億5千万丁の銃がある。 ざっと12人に1丁の計算だ。 私が目指すのは・・・ ”1人1丁の世界” [続きを読む]

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