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営業ものがたり

おおむねいつものサイバラのエッセイマンガ。
大半は『上京ものがたり』の営業と、朝日新聞社主催の手塚治虫文化賞短編賞受賞に関する繰り言(さらにその大半は浦沢直樹の『PLUTO』がらみ)だが、唐突にブラックジャックを扱き下ろしたりもしている。
サイバラのマーケットが新宿二丁目と大阪で、ゲイと貧困にしか受けないって自虐ギャグは・・・ま、たしかに大阪じゃあサイバラは書店でも割と扱いは良いと思うけれど。
そしてギャグタッチなんだけれども真剣な本音が透けて見えるってのもサイバラマンガの特色。特にサイバラ版プルートを書くことになる下りは秀逸。八巻の「そりゃしょせん西原八巻組なんてね、浦沢長崎組にくらべりゃ負け犬なわけですよ。でもね漫画ってそうじゃないでしょう。ボクらはボクらなりの表現ってのがあってね、きっとちがう見せ方があるってさ」なんてのは、冗談で流しているけれど、編集者としての本音だったんだろうなあ。
そして「ロボットが描けません」と西原版プルートは夢と消えたが、アンサー漫画である「PLUTOに寄せて『うつくしいのはら』」はまさに傑作。西原理恵子は、実際のところ天才だよなあ。
浦沢直樹の『PLUTO』はしばらく評価を保留していたが、ノース2号が雲の中で戦う描写に負けた。読者の同情や共感を誘って泣かせるのはたやすい。しかし、心を奪って引き摺り込むことは難しい。『うつくしいのはら』にもしばし心を奪われた。たった12ページの話しだというのに。
正直、目から液体が出た。

手塚治虫文化賞の写真を見て驚いたのは、浦沢直樹と西原理恵子の間にこうの史代が写っていたこと。
http://www.asahi.com/event/TKY200506070318.html
『夕凪の街 桜の国』で新生賞を受賞してたのね。調べてみたら夕凪が大賞を獲った文化庁メディア芸術祭で西原も『毎日かあさん』で優秀賞もらってる。しかし一人だけあきらかに写真慣れしとるな。さすがサイバラ、実生活切り売りマンガ家はダテじゃない。

営業ものがたり
営業ものがたり
posted with amazlet on 05.11.23
西原 理恵子
小学館 (2005/10/26)
おすすめ度の平均: 3.91
4 サイバラらしい
5 圧巻のサイバラ・ワールド
5 号泣

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