のだめカンタービレ
ずっと前からネット評で気になっていたクラシック音楽漫画。
友人が全巻持っているというので、先日『亡国のイージス』を観る際に持ってきて貰って借りた。
予想とは全然違う漫画だったが、むちゃくちゃ面白かった。
水面下で人一倍努力する王子様、千秋真一と、文字通りのピアノの天才、野田恵を中心としたクラ界を題材にしたスラップスティックコミック。千秋真一は幼い頃から指揮者を目指して努力し、ヴァイオリンもピアノも上手く、楽曲の知識も豊富。さすがに経験のなさから何度も躓いてしまうが、自らの欠点を認める性格の良さと更なる努力でリカバリーする黒い王子。かたや主人公“のだめ”こと野田恵は本当の天才。調子が良ければ奇跡的な演奏をするが、楽譜を理解しなかったし、作曲者の意図にも無頓着だった。ただ楽しくピアノが弾ければ良くて、プロを目指してもいなかった。その上、変態で生活力もなく、奇行に走る。この一種水と油の二人が、互いに影響しあって成長していく模様が、実に楽しく描かれている。作中での楽曲シーンの使い方も見事。千秋に振られた元カノが、その感情をそのままに『コジ・ファン・トゥッテ』のドラペッラの歌にぶつけるシーンなど、ただただ感嘆した。
もう何年もクラシックなんか聴いてないけれど、ひさしぶりにラフマニノフのCDを引っ張り出してきてしまった。
講談社 (2005/07)
売り上げランキング: 154
面白い!
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