« 2005/7/17 | トップページ | 鑑賞予定映画メモ »

サマー/タイム/トラベラー (1)

退廃した雰囲気に覆われた地方都市の夏。
暇をもてあましていた5人の高校生達の内の一人の少女が、
構内マラソン大会の日、ゴール目前で3秒間だけ消失する。
読書家だったりネット中毒だったりお嬢様だったりする彼らは結託して、
主に退屈を振り払うため、およそ高校生にあるまじき行動力と才覚で
機材をかき集め少女に起きた現象を研究する。
そして、ついに夏休みのある日、彼らの構えるカメラの前で少女は消え去った。
ほんの数秒先、数m先の未来へと。

久しぶりに書架の林の中を酔歩するがごとき衒学的な文章、
マリオンCoまでの初期作品で見られた独特の文体が戻ってきている。
伝統的なジュブナイル小説。
1巻では特筆すべき筋もないしイベントもない。
だけれどもこれは良い小説だ。
ただなにかが起きるのを期待しながら、日々の退屈に抗っている高校生達の雰囲気が、良く出ている。
また、作中で触れられる古今東西のタイムトラベル物の小説や映画を知っていれば知っているほど、ニヤリと出来る。
表紙と巻頭の挿絵は鶴田謙二で、これもいい雰囲気。

サマー/タイム/トラベラー (1)  ハヤカワ文庫 JA (745)
新城 カズマ 鶴田 謙二
早川書房 (2005/06/16)
売り上げランキング: 2,360
おすすめ度の平均: 4.5
5 時間旅行マニアのための時間旅行作品
4 早熟で酔狂な高校生達の夏休みに、不安の影がじわりと忍び寄ってくる語り口が見事

|

« 2005/7/17 | トップページ | 鑑賞予定映画メモ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73831/5013285

この記事へのトラックバック一覧です: サマー/タイム/トラベラー (1):

« 2005/7/17 | トップページ | 鑑賞予定映画メモ »